言いたいことも言えないこんな世のなかじゃ…コンスープ
土田

ことばのなかにことばが宿った日曜日
その子はとがったりまるかったりすることばの中の羊水で
じっくりことこと煮込んだコンスープのコーンのように
ゆっくりと優しさと厳しさを噛みしめて
ゆっくりと心地よさと痛みを伴い
ゆっくりと美しさと汚さを見終わり
羊水をいき良いよく這い出て
母親であることばを殺してしまったとしても
ぼくは雪みたいな雨が降った昨日の空のしたで
じっくりことこと煮込んだコンスープのコーンの最後のひとつぶが
どうしても食べたくてそれど頃じゃないんだ!というニュアンスで描かれた
エセ近代画家志望の友達の絵画になってしまい
母親のそばで泣きじゃくることばに言葉をかけてあげられなくて
やがてことばが何十年後かに自らのことばを宿らせる日曜日に
ぼくが描かれた絵画をホームレスが空き缶を売って稼いだ金で買った時
きっとぼくのかけたかった言葉のような体型になるんだろう


自由詩 言いたいことも言えないこんな世のなかじゃ…コンスープ Copyright 土田 2009-02-28 15:29:19縦
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
いつかもしかしたらたぶんお花さんになるかも知れない便所の誰かの携帯電話番号みたいなワクワク感と臆病感