例えば
松本 涼
ほろりと私が手のひらを開くと
ふわりと私の手のひらに
乗せられるものがある
それは夕暮れの太陽の熱のように
網戸越しの風に靡くカーテンのように
何気なくふとする感触で
手のひらを眺めても
それがどこからやってきたのか
私には分からない
それでもしばらくは
私は手のひらを閉じない
ありがとう
と想う
ごめんね
と想う
ピアノの連弾のように
私は重ねる
願うときにはそれは
違う姿で現れるのかもしれない
例えば季節のように
例えば君のように
自由詩
例えば
Copyright
松本 涼
2009-02-03 22:29:26
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