ゆき
見崎 光
雪が、
降っています
言葉と思い出は、
頑なな部分をゆっくりとほぐして
今なら素直に打ち明けられそうな
柔らかな予感を抱かせてくれました
静かに雪が、
足元を埋めていきます
愛おしさがこみ上げるのは
懐かしい残像か、
それとも
誠の想いか
区別もつかないまま
壊した時間を悔やんでいます
雪が、
頬を掠めてゆきました
悟られる事に怯えて
見つめる事を躊躇った
責めるように逃げて
呟くように手離した
ただ真っ白に浮かんでいただけと
言葉と思い出が教えてくれました
雪が、
大きなぼたん雪が、
辺りを彩りはじめました