ゆき
見崎 光

雪が、
降っています


言葉と思い出は、
頑なな部分をゆっくりとほぐして
今なら素直に打ち明けられそうな
柔らかな予感を抱かせてくれました


静かに雪が、
足元を埋めていきます


愛おしさがこみ上げるのは
懐かしい残像か、
それとも
誠の想いか
区別もつかないまま
壊した時間を悔やんでいます


雪が、
頬を掠めてゆきました


悟られる事に怯えて
見つめる事を躊躇った
責めるように逃げて
呟くように手離した
ただ真っ白に浮かんでいただけと
言葉と思い出が教えてくれました


雪が、
大きなぼたん雪が、
辺りを彩りはじめました






自由詩 ゆき Copyright 見崎 光 2008-12-20 08:42:26
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