生成されていく意識ーWeb詩の動的構築の可能性ー
リーフレイン

 まずは、アマモリトオルさんのテキスポ詩集「夜はいつも旅のはじまり」を紹介させてください。(少々宣伝込みで申し訳ない)
http://texpo.jp/texpo_book/toc/2822/

 この作品でのリンクは、もともと、現代詩フォーラムや極道に投稿されている詩人さんの、石黒さんのサイトを参考にしています。
http://www.interpoet.net/p3.htm

 石黒さんのサイト内では、javaで記述してあるそうで、オンマウスで動きます。画面の部分の表示が変わっていくので、一つの詩が動的に変化していく様子が非常に素敵です。  テキスポでも近いものができるんじゃあないかってことで、やってみたかったんですが、あたしの詩は連想に向いていないので、雨森さんの詩を構成させてもらえないかとお願いしてみました。 「連想で重ねられていく詩句が、樹形になった記憶をたどるように構築されていく」という感じに作れたらと思っていました。テキスト単位で要素を作成しておいて、単語でのリンクはテキストへとびます。これは、テキスポのシステム上の限界ですね。テキストあるいは画像が最小のリンク先のポインター単位なので。(テキスト内部の表示を動的に変更させることはちょとできないっぽい。あと外部への動的リンクもできないっぽいです。URL直書きなら可能なんですが表面にアドレスが出てしまって美しくない、、)  詩をシーケンシャルに読むのではなくて、立体的に接してもらえるんじゃあないかと期待していたりいます。


 さて、彼等の形式は、文学極道にも 書簡集 という作品で投稿されました。
http://www.interpoet.net/sere-moni/
(石黒さんのサイトinterpoetで製作。URL張りという形での画期的な投稿でした。と同時に、一人の書き手ではなく複数の書き手による連作が極道に一つの作品として投稿されたという形をとったという意味でもまた画期的な投稿でした。)
それぞれの構成要素は、現代詩フォーラムの11月9日付近の散文カテゴリーで散見できます。
index 
祝祭 (いかいか)
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=170229
瞳 (石黒)
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=170255
アクマ(いかいか)
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=170360
緑 (石黒)
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=170481
カーテン(構造)
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=170653
名前のない(いかいか)
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=170239
降っている (石黒)
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=170243

等々、、、ああ、追っかけてくのが疲れてしまった。。。(まだまだあります。)書簡集と名づけられたこの一群の散文詩が一つの作品として成立している大きな要因に、彼等が互いに実力の伯仲した優れた技術を持ち、しかも連詩であることを十二分に意識して書かれていることで、夢と現実の境目のような世界観をキープしているという点も見逃せないわけですが、それにもまして、”リンク”という手法で連続していく形態はWeb詩なればこその実現可能性として、非常に興味深いです。
 石黒さんたちの試みは、一人の詩人の内部世界の立体表現のみならず、詩人たちそのものが構成単位となって、動的に構築されていく世界への広がりでもあります。 詩的世界の樹状構築であると同時に、ゆるやかに溶解、生成されていく”世界意識”とでもいうような美しさの可能性を示しているようで、ものすごく心が踊ります。



散文(批評随筆小説等) 生成されていく意識ーWeb詩の動的構築の可能性ー Copyright リーフレイン 2008-12-12 21:11:03
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