セルリアン
Rin K



君のことを描くたびに
ひとつずつ言葉を失っていった
すっかり軽くなった水彩箱には
たったひとつの「ありがとう」が
隅にこびりついて震えている

―――ありがとう。

それだけで許されるなら
君をのせたカンヴァスは海に流そう
帰らなくていい
瓶詰めの手紙のように







自由詩 セルリアン Copyright Rin K 2008-12-10 00:37:35
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