閉ざされたひと
恋月 ぴの





あっと気づいたときには
避けようがなくて
エンドルフィン働いてくれたのか
やっと死ねるのかなだなんて
奇妙な喜びに背筋ぞくぞくしたのだけど
むりやり右折してきたクルマに衝突した瞬間
数メートルはね飛ばされ
硬いアスファルトに背中から叩きつけられてしまった

どうしてなんだろう
日曜日の朝方
見通しの良い郊外の交差点なのに

通りがかりのおばさんに励まされても
次第に大きくなってきた救急車のサイレンにも

助かった喜びとは異なる感情に支配されている私がいた


携帯写真+詩 閉ざされたひと Copyright 恋月 ぴの 2008-12-03 17:42:02
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