ニセモノピカソが世界を仮縫いする日
紫音

空が裂けた日 しょうがないので仮縫いをしておいた
そのままでは不恰好なので しょうがないので眼帯を被せてみた
パッチワークの空は化膿していた
ちょっとだけ 芯があった

ところで

空が避けていることを 僕以外知らない 気づきもしない
パンパンに膨らんだ風船が避ける音は
空には響かないから 誰もわからない

鉄板の上のキャベツが縮んでいく
熱くて狭くて小さくなって
裂けた空はまだまだ広いけれど
足裏にはもう踊る場所も残っていない
蛸が踊るくらいにはバチバチと弾けるけれど

飛び跳ねる油
虹色の油脂膜は弾け消え
不恰好なお好み焼きだけが布団代わりに敷かれている
夢はこんがり黒焦げて
パリパリっと焦げた感じもまた裂け目ができて仮縫いしたくなる

いつもいつも

仮縫いしか出来ないので
しょうがなく継接ぎで繕っておくことが
いつしか自然になってしまったので

もうこの言葉だってニセモノピカソナンダ ナンダ   ナンダ?


キョウモカリヌイカリヌイカリヌイ
カリカリタベテキョウトモカリヌイ
デントウモブンカモイチゲンサンモジョウレンサンモ
ギョウサンレモンデキョウモキョウトデ


自由詩 ニセモノピカソが世界を仮縫いする日 Copyright 紫音 2008-11-27 15:32:59
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