大輪かがり
わら

だれに愛されるわけでもなく 
だれを愛するわけでもない
 
あなたはあなたのままでいて 
わたしはわたしのままでいる 


独り歩くということの 
ゆき場も見えぬ哀しみの 
さまよい照らす、まなざしの先 

大輪にしきつめた太陽か 
夜道を歩くたましいか 

生まれて死ぬや 
輪廻や 
未来 

ぼんやりと浮かぶ、そんな言葉も 
今、漂うにおいよりも儚い 


すこし、煙が目にしみる 
だれかがベッドに横たわっている 

「どこから来た?」とか
他愛もない話 

そう、他愛もない話 

「明日はどこかに行くの?」とか 
そんな話 


カラダに何度、舌を這わせても 

その人の未来などには 
興味はない 



わたしという人が生まれて 
どこで何を見失ったのか 
長くのびゆく道の果て 

もはや願うは人並みのやすらぎ 



陽の光は遠く裏側 

朝に射すそれは 
鋭く、目を刺す 


かがり火もない夜にしずみ 
それでも、 
光をのぞむような 


これが、こころかと 
ため息を吐き 

なにかをしまうように 
また飲み込む 



あこがれているの? 

愛や灯りに 



わたしはあなたのその乳房で 

どんな涙を流せるだろうか? 

















自由詩 大輪かがり Copyright わら 2008-11-18 20:49:15
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