こびと。
すぬかんながぐつ。 

暗い中パソコンの作業をしていると
ときどき小さなこびとが出てきて
私に向かって微笑み掛ける

あなたはどこから来たの
私はね あちらから来たの
というと

おばたんはあちらがこわくないのと訊く

私はこわかったというと
じゃあぼくも行くのやめる
という

ぼくもわたしもいっしょなので
そうかもねというと

ふたりでプリン食べようと
ちいさなプリンを持ってくる

このプリンはどこから戴いたのと訊くと

お隣という

ふたりで仲良く食べていると

おばたんはこわくないのとまた訊くから

こわいよというとやっとちいさな笑みを浮かべて

安心したようにぼくもあっちから来たのといって

最後に

大きな吐息をついて

ぼくもこわいといった。

世の中は無数の偶理性でできているから

あなたとわたしは

偶理性が似ているのかなというと

微笑っておばたんすきといった。

ぼくは悲しくなって

わたしを抱きしめると

ぼくも悲しくなって

こびとは去った。

ぼくとあなたは哀しいままだねというと

ふたりを置き去りにして

こびとは去った







自由詩 こびと。 Copyright すぬかんながぐつ。  2008-11-08 00:00:54
notebook Home 戻る  過去 未来