聴こえないふり
紫音

午前零時のもやもや月明かりの先に
お猿のシンバル リズムを刻む

 シャンシャン

  シャンシャン

少しずつ大きく
風にそよぐ待宵草も
霞んで遠く消え隠れ

 ジャンジャン

  ジャンジャン

耳を澄ませば聴こえる声も
目を凝らせば見える姿も
響き応える評さえも

見ざる言わざる聴かざるで

     お猿は一人 騒いでる


天上天下唯我独尊

お猿は三輪車を漕いでいく
シンバル叩いて踊りだす


誰もいないかのように
投げっぱなしの詩を口ずさみ
一人月光夜想詩楽団

 シャンシャンジャンジャン

  シャンジャンジャン



自由詩 聴こえないふり Copyright 紫音 2008-10-17 12:26:01
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