デジタル時計
小原あき

デジタルの時計を見ている
タイムスリップを繰り返している
1が出て唐突に2が来て
3がその上に重なっていく



分の十の位が一の位に話しかけていて
突然相手が変わったので
びっくりしている
驚いた顔をしたまま
十の位も違う顔が重なった



繋がっているようで
本当はすべて
ひとこまひとこま分かれていて



横にいるこの人も
いつの間にか違う顔に変わっていたりして
わたしが驚いている間に
別の人がわたしになる



誰かがわたしの場所に
わたしの上に重なると
わたしはどこに行けばいいのか



さっき驚いた顔をしたまま
いってしまったあの数字も
また巡って現れた頃には
新しい顔をしていた



巡って
新しい顔になる
横にいるこの人も
わたしも



十の位が
さっき話しかけた一の位と再会して
なんだか嬉しそうだ



今はあの時と
まったく別の話をしているけれど








自由詩 デジタル時計 Copyright 小原あき 2008-10-16 19:02:36
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