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士狼(銀)


好きかもしれない人は
好きな人になり
好きな人は
好きだった人になり
好きだった人は
苦手な人になり
苦手な人は
嫌いな人になり
嫌いな人は
知らない人にかわって
わたしの体には
裏切った数だけの痣がのこって

愛ほど
恐ろしいものも
そうはないと思うから
だから
わたしは失っていく

愛ほど素晴らしいものはないと言う
その喉を切り裂きたい
切り裂きたい
あまり切れ味のよくないナイフで
愛したものが壊れていく様を
映しながら息絶えてくれるなら
朽ちた唇に約束を
ひとつだけ


自由詩 *** Copyright 士狼(銀) 2008-10-05 01:10:28
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