問答
肉食のすずめ


いつ
いってしまえば
猛る炎に捲かれる鳥
のように死ぬ
黒い道の染みになるだろう
白い蜘蛛が這うだろう

長く続かない事が
長く続く事


いつ
いってしまえば
夜へ向かう機関士
停止線で止まる
擦れたくろがねは
軋み裂けるだろう
継ぎ目の無い車輪
失うべき事を失うだろう
瞳孔の暗い部分を
ガーゼが覆うだろう
いつも
広大さは
地点を反転していく
いつ
地点は反逆していく
まだ
空の影
盛り上がっていく
海の頂上
猛る炎に捲かれる
鳥のように死ぬ
丸く硬い自我が
耳の裏で転がる音
長く続かない事が
長く続く事
美しいと

いってしまうだろう

いつからか
予感は始まっている
かさぶたは剥がれている
傷は治ってしまった
カナリアは死んでしまった


自由詩 問答 Copyright 肉食のすずめ 2008-10-03 06:11:33
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