未有花

静かな木漏れ日の向こうに
やさしい香りに包まれた人がたたずむ
朽ちた古城を背景にその人はいた
それは昔々の神話のような
何と感傷的な横顔
アポロンかエンディミオンを思わせる
木漏れ日は宝石のかけらとなって
この黄昏の時を止めた
秋にはひとり淋しげな人が
時を忘れて昔を偲ぶ
まどろみながら日の沈むまで


自由詩Copyright 未有花 2008-10-02 13:18:46縦
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