終焉
士狼(銀)

夜。
膨大な暗闇の
その堆積を知らない
その密度を
その質量を
この不安を
君は知らない

夜。
解答のないパズル
終わらない数式
積まれた書類
書き殴る指
丸くなる
四肢の
先に


夜。
腐った果実が
冷蔵庫の端で震えている
夜。
携帯電話で低温火傷をする
小さな画面は発光し
狭苦しい世界の繋がりを
望んでいる

夜。
1/fのゆらぎが
僕たちを揺るがす
さよならした世界を
光の速度で失ってゆく

誰も要らない僕が要らない
夜。
世界の終わりに一緒にいるのは
君だといい


自由詩 終焉 Copyright 士狼(銀) 2008-09-25 00:01:08
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