濁流
士狼(銀)

(ゼロ
僕は欠陥品である、と仮定する。
少年少女、互いに確かめ合うのは傷口。証明の始まりを上手く書き出せないから存在を不安に思う。ティーンエイジャー、
違う!
そんな括りでは収まらない。声を枯らし、破片を強く握りしめたら薄い静脈から赤く滴るような、繊細なカテゴライズをずたずたにする。
例えば鉄塔に落ちた雷が焼き尽くした、そういった細胞や神経の類、集合体。僕という宇宙の中で繰り返される生と死。
そして惑星はいつか死滅する。
月に兎がいるかどうかは問題でない、ただ臍の緒の先を追いかけているだけなんだ。
僕ではない宇宙の鼓動、その先にいる、誰か。


そう、この行間が指し示すもの。恐らく、それ自体。


(ゼロ+イチ
√。
僕たちは、ひとり。だから割り切れない。だから二乗されない。だから枠の中から出ることができなかった。だからひとつのカテゴリに括られる。だから自らのルートを辿ることに恐怖した。ぬかるみは、思っている以上に安定してしまう。
だから、靴をなくす。
生まれ(いいえ/てしまっ)た時の最初の声を、覚えていますか。風に揺れたカーテンの残像を。頭骨が結合する感覚を。を。
音、光、温度、香ったのは夜だった筈だ。
母親という生き物は特別なんだ、子供にとって、
嗚呼、
生物学的に勝るのは女だ。認めよ、でなければ、僕たちは血溜まりから生まれ落ちなかった。


自由詩 濁流 Copyright 士狼(銀) 2008-09-08 00:15:03縦
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