孤独
香音


辺りは静寂に包まれ
私はひっそりと佇む
それは孤独の深縁で
まばゆいほどの暗闇

深い森の中から探し
私の物となりはてた
孤独のリアルな残像

貴方は遠くから叫び
その声の透明さこそ
私は心から安堵する

かつて亡くしたもの
それらに近づくため
私はぬぐいきれない
泪を流し続けたまま

佇んでいると再び声
貴方はここにいない
何故と問う言葉だけ
いつまでも反響する

楽になりたいからと
選んだ路の果てには
貴方が立っています
苦し紛れに微笑むと
黙って微笑みながら
そっと手を差し出す

今夜も多分孤独の淵
絶たれた望みは多く
それ故に泣くだろう


自由詩 孤独 Copyright 香音 2008-09-02 11:03:54
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