たましいがさき
わら

魂ヶ崎 


たましいがさきで会いましょう 

希望の岬で会いましょう 


あなたが飲んだ、その泥までも
あなたが裂いた、その腹までも 

すべてを洗い流した場所へ
  


たましいがさきで会いましょう 

こころの岬で会いましょう 


わたしがまとった、この脂肉も  
おんなをちぎった、この肢体も 

歯茎ににじむ、この腐臭も  
額にたれる、血とあぶらも 


あなたが飲んだ、その憎悪や  
わたしが吐いた、狂気の嗚咽や  


そんな、すべて 

このカラダなど 
我らにまとわる蹂躙など 

念や楔のすべてを剥いで 


こころのままで会える場所へ 
わらべのままで会える場所へ  




まあ白な岬に立ち 
すべてを終えた、その崎で  

なにを望むでもない微笑みをたたえ 

ゆるされることや 
ゆるされえぬこと 
生まれたことを罪とさえ 
わたしは鬼畜の花を飲み  

いや、それさえも 
洗うた場所 
まあ白な光に還る場所  




その手を離せば滅ぶのか 
それとも、あなた 
たましいが先  



やがて視界が黒くかすみ 
あぶくに埋もれ 
死した後には 



たましいがさきで会いましょう 


たましいがさきで会いましょう 



















自由詩 たましいがさき Copyright わら 2008-08-14 13:26:04
notebook Home 戻る  過去 未来