人が欲しかった未来的な機能
　過去へのタイムスリップを可能にしたのは
　彼らだろう

　半永久的に維持され
　薄れゆく記憶にも臆さず
　少年の笑顔が少年であり続けられる場所は
　もうここにしかない

　疲れたように膝を抱える人々
　火事から震災まで
　数多くの災害が彼らの命を奪い
　想い出もつれてゆく

　老人の背中から
　喪った愛犬以上の何かが
　すっぱりと抜け落ちたように見えたのは
　瓦礫の向こうの思い出達だろう