なつの朝
唐草フウ


 なつの朝に
くりかえしくりかえし
泣きながら、うまれる
声と声と声が
遠くの地球
むこうにしろいくも
横ばいに漂う

 わたしたち
くりかえし生まれて
体操して
朝の匂い
おはようのひと
おやすみのひと
時間としんぞうの音

 

(まっとうしなければならない
そんな夏の時間を背負ってすすんでいる
おてんとさんは睨んでるの
それとも

降りしきるばかり


ああ、暑いね
きょうも暑いねと
ほこらしげに人たちが言い合う
エコだとか
温暖化だとかを
盾にして
みこしにして
じつは全然クールダウン
するいとまもなく 


 なつの朝に
しんだ人は
くやしかっただろうか
おだやかだったろうか
わたしたちはそれを
口にするほど
こすれて、しまうから
何かでごまかしている


 きれいな、なつの朝だよ








自由詩 なつの朝 Copyright 唐草フウ 2008-08-11 06:17:40
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