約束
士狼(銀)

雨はいつだって突然に
感覚を刺激する

懐かしい音に
身動きが
――…取れなくなる
夕方の雨は
だめだ

カーテンレースを握りしめた
手の
震えが治まるまで
アスファルトを叩く雨の
軌跡を眺めていた
救急車のサイレンが拡散して
波紋が
共鳴する
てのひらの熱

夕焼けは眩しくて
約束が溶け始めたことを知る


自由詩 約束 Copyright 士狼(銀) 2008-07-26 22:22:48
notebook Home 戻る  過去 未来
この文書は以下の文書グループに登録されています。
complex≒indication
創書日和、過去。