門で
石川和広
さびしさにふたをした
余計にあふれてきた
ふたをしろよ
もっとふたを
漬物石
がいい
いやもっと軽くてもいい
わたがし
和紙
金箔
めでたくなる
重さなんか
なんでもいい
自分でふたをすることが肝心
自分がふたをする
その自分は明日にはちがう誰かになる
そして数えきれない瞬間が奇跡的につながる
そこに私らしい人影
いやまちがいなく私がいる
さびしさにふたをしたのを誰かに埋めててもらおうとしている
そのようなお門違いのために、ひどくみっともない気取りをさらしている
自由詩
門で
Copyright
石川和広
2008-07-22 00:20:14