ずるずると日々
七尾きよし

 日々が流れるように過ぎていく。
と言うよりも
ずるずるといろんなものを未解決のまま引きずりながら、
おしだされながら過ぎていく
という形容のほうが適切に感じる。

 定期的に憂鬱になる。
数ヶ月に一度のサイクルだろうか。
そんな時は、何をしようが鬱々とするので
もうしょうがない。
憂鬱を対象化して消し去ろうとする行為と
憂鬱になる原因となる行為との間に同一性を感じている。
泥沼に片足をつっこんで
もう片足つっこんで
そのうち長靴がはまって裸足で歩きだす
ジャンプしてジャンプして勢いよく飛び跳ねれるのもしばらくのうちで
疲れ果てて
のそりのそりと足をひきずるように進んでいく。
どこの国での記憶だろうか。
泥沼の中を足をひきずりながら何時間も歩いた記憶がある。
諸星大二郎の失楽園のイメージ。
喪失感とは
喪い失ってしまったものを埋め合わせよ
と命令する心ではなく
ただこの身を悲しめよ
涙せよとの思し召しか。
戦うための武器はどこかと暗闇を手さぐりする男の顔には
実は涙が流れている。
光よ。


自由詩 ずるずると日々 Copyright 七尾きよし 2008-07-21 22:21:46
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