落陽
士狼(銀)

落陽、その時に見えたのは希望でも何でもなかった



羊を数えた夜が明けないから
一匹ずつ撃ち殺そうとして
銃創、その時に知ったのは暗闇でも死でもなかった


捨てないように、逃げないように、殺しました

泣いたのはどちらだったか分からないくらいに
溶け合った
正しさに踊らされる毎日と
昼間の星を知らない人は似ているのだろうか
とか、
血溜まりに寝そべって思う
涙は温かい


落陽、
天気雨が音楽を運んで
雨上がりの空気が陽炎を創り出すから
嘘が見える
あの人は多分
どこかで哀しく笑って
昼間の流れ星を数えたりして
今日も嘘をつく



落陽、その時に聴こえたのは明日の最初の産声だよ
そんな
優しい嘘


自由詩 落陽 Copyright 士狼(銀) 2008-07-19 01:11:10縦
notebook Home 戻る  過去 未来
この文書は以下の文書グループに登録されています。
戯言と童話