アマノメアグレ
黒川排除 (oldsoup)

牢の革の袋に乾く舌を出す

木がみしみしと呟く 月齢を取り込み

雑居する密度が裾野となる火山

激流林を抜け竹を燻す夜明けに突っ込む

不燃の沢の正体見たり束の伝票

岩抉れてバッタは森を振り返る

庭園の壁寝る開祖に沿ってある

池の水なかから見るのこぎり持って

苦笑して疼く種絵の蔦と馴染む

直射日光こんなところまでさっと桶が出る

眼帯から内へ鏡向き共に痛む

道に取っ手があれば振り上げるのにつまずく

糸託され過ぎて遂に滝跡に靡く

箱からガラガラ蝶出でて幹噛み切り擬態

風でたわむカーテンに置く未完の腕

本たたむ苦しみよりも遠い堰

街灯の音積もる置き方のガラス

牛の背を蝋が素早く駆け上がる

金属の槌で打つ脈長い琴線

川何度決壊すれば染みになる


川柳 アマノメアグレ Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2008-07-09 13:31:51
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