souvenir
鎖骨




滑らかに先行する感性
安心のブランド
いちどきに逸る鼓動
誘惑に阿鼻叫喚する観衆
は自らの慣習を省みることはなく
私はただ袖の端をつまみ
目じりに這わせる




気持ち悪い
気持ち悪いね
気持ち悪いよ
気持ち悪いと
云え
云うんだ




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認めない
認めない
認めないことを
認めない夜
認めないで
認めない日
陽 非 ひ 日々
認めない
認めよう
認められない
やはり
メッセージソングには
辟易するだろう





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雰囲気に大仰な名前を貼り付けて、
目や口や腹の肥えた厳しい顔の人たちがそれを格付けして
驚くような値段で売り出してる
ずっとずっと深く立ち入る人のないような暗さと深さと重さの中で
作る人は潰れて、苦しんで死んでいく
上の人はどんどん豊かに艶やかに艶やかに
まるで仏様みたいな笑みを称えながら
とても尊いお話をお手ごろなお値段で配信して下さる
私がここまで成れたのも皆様方のお陰ですなんていいながら
喰っているときも寝ているときも糞しているときでさえも
あいつらの肉と通帳はいっそう肥えていくんだ





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この極楽浄土ではより高いところより大きい声による号令を
無視すると人格否定されて社会的に殺されてしまうし出る杭は打たれるという
そして実際多くの場合がその通りになって社会的に殺されて
それがもし歳をとってからだと目も当てられないことになる
身体も精神も若くあっても金とコネと集団心理に勝つのは難しい
でもそこここに別の楽土への階段が見えるようになるから
この国では沢山の人が移住を済ませている







自由詩 souvenir Copyright 鎖骨 2008-07-09 00:39:34
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