暴発
佐々木妖精

食うために仕方なく働いていますが
食われる側であると自認しています
働いています
路上に脅されながら
それは嫌々行っています
口元の躊躇い傷は
笑って隠します

どういうわけか
撃ち尽くしてしまったのですが
支払った時間を
手放すのはもったいなくて
消えてしまった弾丸が
戻ってくるのを待っています
鳥にあたってないか気がかりです
動かない鳩とその鳴き声が
頬で砕けてしまう雨粒が
失望ばかりのデッドボール
どこに引っかかっているのか
誰が受け取ったのか
返事もしない
雲ひとつない空
これが丸ごと弾丸なら

ミサイルを買おう
ミサイルで揺さぶろう
でっかいのがいい
覆い尽くすほどでっかいの


自由詩 暴発 Copyright 佐々木妖精 2008-07-02 20:22:37縦
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