青春時代
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数学教師の話を子守歌に
退屈の海に浮かべた夢の船
教室の窓から飛行機雲をなぞって
誰よりも高い空を見ていた
放課後はバスケのフリースローで
誰がジュースを奢るか賭けていた
方程式や歴史の年表は苦手でも
遊びならいくらでも思いついた
授業よりも経験を大事に
哲学よりも仲間を大事に
自分の気持ちに正直に生きた
目に映るすべてが輝いていた
いつかは終わるのが青春時代
それなら途中で投げ出したりしない
後悔だけは残したくない
二度と戻らない瞬間だから
いつも思い浮べていた未来
白紙のページに並べた落書き
すべてをこの手で掴み取るために
動き出すことを恐れたりしない
ずっと好きだった二組の鈴木さんが
受験勉強を始めたと聞いて
同じ塾や大学へ行こうか
一時期真剣に悩んだ
そういえば自分の夢はなんだろう
一体将来何がしたいんだろう
ずっと後回しにしていた課題が
ツケを払えと催促している
最近親の態度が変わってきた
最近友達の顔付きが変わってきた
なんだか体の奥がムズムズする
自覚の芽が花開こうとしている
いつかは終わるのが青春時代
それなら最後まで逃げたりしない
後悔ならいくらでもすればいい
そこから得られる強さがあるから
いつも思い浮べていた未来
白紙のページに並べた落書き
現実という壁にぶつかっても
自分から書き換えたりしない
嫌いだった体育の担任が
卒業式の壇上で流した涙
ウザったい説教に込められた意味が
一つ一つ頭の中を駆け巡る
初めて校歌で感動した日
屋上から見下ろした薄紅の町並み
助走を付けて走りだしたなら
フェンスを越えて飛べる気がした
親を殴った拳の痛み
迷惑かけた先生の悩み
すべての汚れを背負ったなら
また一つ僕は大きくなれる
いつかは終わるのが青春時代
それならここで泣いたりしない
後悔なんて残していない
すべて自分で選んだ道だから
いつも思い浮べていた未来
白紙のページに並べた落書き
やがて悲しい過去に変わっても
描いた日々を消したりしない
いつまでも色褪せはしない
かけがえのない青春時代
思い出のタイムカプセル開ければ
18才の少年がよみがえり
教室の奥でロッカーに座り
箒をギターに歌っているのさ
自由詩
青春時代
Copyright
1486 106
2008-06-23 18:34:16