公営住宅
1486 106

カラオケ帰りの深夜二時
車を止めてエンジンを切ると
無音の空間が一面に広がり
取り残されたような気分になった

駐車場から歩いていると
自分の足音がはっきりと聞こえた
その時僕は思い出したんだ
いや初めて知ったのかもしれない

遠くで響くサイレンや
クラクションや暴走族のマフラー
普段ならうるさいと感じるものも
こんな時間なら安心できる

ドアを開けても誰もいない時
真っ暗な部屋のスイッチを点ける時
シャワールームで目を瞑る時
不意に孤独が襲い掛かる

こんな時は誰かと話したい
だけどただ電話が鳴るのを待つだけ
久しぶりにパソコンを開いたら
マイミクが一人減っていた

整理するとか消去するとか
人間だと思っていないんだね
すっきりしたって笑っているんだろう
どんなに相手を傷付けるかも知らずに

最近ベッドに横になると
胸のあたりがズキズキ痛くなる
朝目覚めても誰もいない時
不意に孤独が襲い掛かる

都会から離れた公営住宅には
たくさんの人が暮らしているけど
助けてなんて言えるはずないよ
みんな我慢して生きているんだから


自由詩 公営住宅 Copyright 1486 106 2008-06-22 01:40:42
notebook Home 戻る  過去 未来