coda
鎖骨




芳しく麗しい賢人の集うコロッセオ
体臭も性器も擦り傷も隠さずにほくそ笑む
踊るオルフェ、まるでオブジェ、それは夢幻
カラカラに渇いた心臓が見せる一瞬の
どうしてそんなものを?
奴ら狂っているからだ
俺も狂っているからだ
そして世界は順当に崩れていく
誰も目を向けないような端っこから
止め処ないディゾルブ
現実のそれはちっとも綺麗じゃないさ
気付いてもヒトに出来ることは酒を呑みつつ捨てばちになることだけ
何に怯えているんだろう、昼間の頭は
汗水鼻水時に涙あらゆる体液を分泌し
感傷を緩衝することでAMをやり過ごす
地球温暖化の折、町々には湿っぽい情愛が煮凝って
上品に消毒された性欲が金を触媒にして薫る
壊れかけのラジオはトランジスタグラマー
それでも俺は萎縮する
愛人がオーガズムを迎えようとする表情にさえ
ざっけかけない仕事
雲は白く綿飴のようにふわふわ
黄色い海に浮かぶ泡だけが今は頼り









自由詩 coda Copyright 鎖骨 2008-06-20 01:30:57
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