仕様書からの抜粋
たもつ



停留所の影
鳴くヒグラシ
模写の中で


+


石の階段
落下していく
ランドセルへと
 
 
+
  
 
夏時間の早朝
別に区分される
地下茎と言葉と
 
 
+
 
 
鳥の死は
抜粋されたまま
仕様書から
 
 
+
 
 
藻場に集まる粒子
告白の長い
期間が始まる
 
 
+
 
 
耳の種類を
書き足してしまう
多弁すぎて
 
 
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穴を掘る子ら
背中に残る
鉱物の痕
 
 
+
 
 
植物は深夜
あなたの名前を
うまくごまかす
 
 
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誰もいない屋上で
フェンスをゆらす
しあわせは形
 
 
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悲しみ続ける
わたしたちがまだ
ものであるかぎり
 
 


自由詩 仕様書からの抜粋 Copyright たもつ 2008-06-07 16:49:07
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