本の精
チアーヌ
胸苦しくなって
本の精が現れた
中空の四角い顔が
ぐにゅぐにゅと巨大化して
わたしを押しつぶそうとする
ねえ本の精
なぜそんなことをするの?
そう訊ねると
わたしの胸はまた苦しくなって
まるで心臓を握られるような
そんな感じで
大きな快感に連れて行かれ
わたしは飛んだ
四角い顔は
気味悪く広がったり
丸くなったりしながら
わたしを見ていた
自由詩
本の精
Copyright
チアーヌ
2008-05-31 19:24:25