青の夢路
まどろむ海月






青い夜道

降りしきるものに
真紅がまじり

花片を踏みしめ近づく
白い脚先


冷たい絹に包まれた
やわらかな しなやかな
抱きしめても届かない身体

せめて髪に顔をうずめても
強い薔薇の香りに
動悸は鎮まらない


こんなに愛しいのに

怖れてしまうのはなぜ


 夢の扉を
 もう一枚開けると
 見える光景に
 静かに横たわっている



 霧のように私は近づく





 あのころ
 あんなに未熟だったね



  わたしの唇が
  あなたの胸の間をたどり
  それから
  もっと深い谷を
  歩んだとき
  名前を呼んだのは
  あなたでしたか
  わたしでしたか













         


自由詩 青の夢路 Copyright まどろむ海月 2008-05-27 00:53:20縦
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悪意の夜