現実の未来
ガリアーノ
様々な角度から光はね返す雲たちを飽きるまで見ていたいと思ったとき
きみに一緒に見てほしいって
そう思ったんだ
十月の下旬の朝はもう冬の匂いがするって気付いたとき
一番に君に知らせたいって
そう思ったんだ
「きみがそばにいてくれたら」
「きみがそばにいてくれたら」
きっとぼくは
幸せを飽和させてしまって
幸せを全部押し流してしまうだろう
はなれたくなんかない
はなしたくなんかない
だから
ぼくたちはすき間を埋め合おうとはしないで
すき間の遠さを慈しみ時には自分を可愛がって悲観したりして
もどかしい距離をやすらかに課し合っている
永遠にひとつにはなれない
永遠にひとつにはならない
ひとつのように生きられもしない
だったら
「 」
明日はきみと
陽のあたる川べりで水の色の移ろいを楽しもう
それにいつか
星のみえる夜に車で海に行こう
白い花の原っぱで緑に空気を味わおう
いつかいつか
時の流れが
やさしくぼくらの光を奪うまで
自由詩
現実の未来
Copyright
ガリアーノ
2008-04-29 23:39:20