ユメナマコ
石川和広

ふかい海にいきている
生き物は、わたしたちからは
奇妙なかたちに見えるけど

奇妙だと思わない人もいるだろうし
ミスターチルドレンが「深海」という
アルバム出したときも、
あれはあれで必然性があって
ちとぐっと来た

昔、ユメナマコって深海生物をみて
とてもホッとした

ピンクで
つぼみみたいで
ゆったり泳いで

かたくなくてあんな水圧に耐えられるなんて
たぶん当たり前のことって

かけがえのないものの呼び名でもあるんだ
滑らかで、たくましくて

暗い中ゆうゆうと
いいかんじに思えたんだ





たぶん、ああいう風に、
生きてるものに
素敵な名前付けて
いた方がいた

その名前は、ユメナマコにゆだねられ
そんなこと
あの生き物はつゆ知らず
泳いで

けしてたどり着かない太陽に

たくさんの水の層
から
その存在を
手向け
ピンク色している


自由詩 ユメナマコ Copyright 石川和広 2004-07-06 19:56:24
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