ガーゼ
杠いうれ

あしおとは何処からもついて来ず
あしあとは干乾びて いくつか

香蒲がまの揺れるが聞こえる気がするし
それが自らを抉り肉のはじけるが聞こえる
気がする

夏のそそり立つ轟音は よくよく見れば擦過傷
あれは未明のシベリアを抜け 独逸あたりに流れるのだろう



自らを抉り 肉のはじけるが聞こえる

シーラス雲に脇腹から緋色が滲んで
それは誰の膿を庇ったのだろう


自由詩 ガーゼ Copyright 杠いうれ 2008-04-16 18:31:44
notebook Home 戻る  過去 未来