風の人
LEO

灯りは星のひとつひとつ
身動ぎしない風景の
その一個となって
孤独と添うには
十分な夜である

静まり返る街角の
路地の向こうから
細く聞える口笛は
独りの耳にも届いて
胸をふるわせた

それは哀しみ
あるいは呼ぶ声
独りいるはずのこの夜にも
確かに誰かの
何かを感じて

眠り容易く安らぐ者と
淋しさに囚われ彷徨う者と
交わす言葉は沈黙の
背中合わせに
白紙のままの朝を待つ


自由詩 風の人 Copyright LEO 2008-04-03 01:29:00
notebook Home 戻る  過去 未来