春離れ
簑田伶子

1.


上履きの色は赤か青で
たまにみる緑が
私はうらやましかった
ぺたぺたと
音もなかった
たくさんの足
あの
はためく日の丸をもう
みることがないから
ここがどこかわからないのでは
ないよ




2.


屋根のない
橋のような渡り廊下が
すきで
雨の日は
ひたひたになった床に
すべりそうになったけど
傘をささずにいても
不自然じゃないのは
あの場所しかないとおもっていて
毎日が
大雨ならいいのにって
おもっていて




3.




(スカートのひだの数まで校則で決まっていて
(ばかみたいだって笑いあう間に
終わってしまいました


孤独だなんて
当たり前のことを言って
ばかみたいだって笑いあう間に
終わってしまいました






自由詩 春離れ Copyright 簑田伶子 2008-03-27 23:27:24
notebook Home 戻る  過去 未来