無題18
ねろ



絶え間なく 揺れ動く 空間

絶え間なく 生まれ変わる 情熱

一秒一秒 どの時も 細切れの時間の中に

産み落とされては 腐っていく 感情

ほら また生まれて

泡のように 弾けては 死を夢に

膨れ上がる 幼い目は 生を獲物に

繰り返される 生命の 代謝



土を 蹴って

走る

とがった爪 の 跡から

ヘドロが 抉り出されて 

すれ違う 人々の

冷たい肌に 覆われた

内臓の 匂いがする

喰らい付いて 血が 血が 

欲しいよ

渇いて 死んでしまう前に


ビル の 剥がれ落ちた ペンキの

黴臭い 匂いの隙間から

生臭い 血の匂いを 嗅ぎ分け

よだれ 垂らして

あまりの渇望に がたがた震え

その中に咲く 

この世で 一番美しい 花の

色を  飲み干して この瞳孔は 息を吹き返す


自由詩 無題18 Copyright ねろ 2008-03-24 07:55:12
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