無題16
ねろ


窓を 開けて

雨雲が 遅れた子供の 手を引いて

流れて 行くよ

短い 指で 数えた 夢は

濡らされて 確かな物など なくなった

 外は 声枯らしの 風が 吹いている



淋しいね

哀しみに 辱められた 女が

薄暗い 部屋の 隅で

動けなく なって

孕んだ 感情は

赤く 黒く とぐろを巻く

獣の子

生まれない 命は

母の 温もりを 知れど

消えて しまう



自由詩 無題16 Copyright ねろ 2008-03-12 00:10:53
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