二色
佐々木妖精

泣いた日
左手が動かなくなった日
ボケットに突っ込んだ手を
先生に注意され
からかわれた手と
庇われたことが恥ずかしくて
泣かされた日

泣かされた日
いつも庇ってくれてた友達が触ってきた日

泣かされた日
逆さまつ毛が目に刺さった日


泣いた日
女は敵だって決意した日

泣かされた日
前言を撤回した日

泣いた日
じいさんが物になった日

泣かされた日
ばあさんがものになった日

泣いた日
好きになった日

泣かされた日
逆さまつ毛が刺さった日
泣いた日
実家へ帰る決意を固めた日


さて 目指そう
もう迷い方など忘れてしまったが
現代はくくれどくくれど溢れ出す
平成での18年など昭和への長い助走である
あの日を目指すのだ
何もかもが輝いていたあの日へ
共に泣き暮れる雨や助手席の人間失格と共に
すみやかなアクセルを
ただ一切は過ぎていきます
母さん


自由詩 二色 Copyright 佐々木妖精 2008-03-11 13:01:17
notebook Home 戻る