無題15
ねろ


氷で出来た 女の子は

暖かい掌に 乗せられると 融けてしまう

透きとおった ものへ 還って

無くなって しまう

もし あたしが あたしである ままを 望んでくれるのなら

優しさなど いらないわ

ただ あいしてよ

何より 優しい あなたを 知っている

けれど 私の身体は 融けてゆくばかりで

何一つ 叶えてなど あげられないわ

この 心の言葉が

あたしを 溶かしきる その前に

心 一つだけ 奪って みせてよ


自由詩 無題15 Copyright ねろ 2008-03-03 20:35:07
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