夢うつし
LEO

リネンの隅に
残された匂いは
何を恋しく思わせる
布地の波の
泳いだあとの曲線に
躯を添わせ
ぬくもりを懐かしみ
満たされた想いと
満たされなかった願いと
抱きしめ夜を往くのだろう

ひどく
時間はゆっくりで
時計の針の
1/60の刻みを
耳が追う
時間の流れは
常に等しいはずなのに
何故こんなにも
静かすぎるのだろうか
さみしいのは誰

曇る硝子窓に
夜灯りはちかちかと
儚くも
七色に光る蛍火のよう
まどろみのなか
それを頼りに
逢いに行く
もう一度
何度でも
その顔を知りたくて

さみしいのは
たぶんきっと‥


自由詩 夢うつし Copyright LEO 2008-02-28 23:58:43縦
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