まさ雪
わら

わた雪が
景色の中で降っていました


それが幻だということは
知っていました


幾重もの

ゆらゆら
ただよい降りて

白く、たどりつく


地の上へ
その音が耳の奥のほうで
こだましておりました


終わりの景色だというのなら

そうか、だから、
人が見当たらないんだ


だれもいない



黒く塗りつけられた夜の
あの建物の谷間にも
このアスファルトの一面にも

静かのままに
つらなりおちる




ひざをつく

目をつむる



まあーだだよ
もーいーかい


白い声が
遠くで響いている

ああ、
凍えるよ



おやすみ

銃声

















自由詩 まさ雪 Copyright わら 2008-02-22 05:27:29
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