■共同作品■ 冬のさくら
Rin.




夢路誘うは十六夜に 
声なく花の散る姿
また立ち返る如月の 
思いは誰に告げるべき

黒髪けずるいもうとの 
面影やどる花びらは
雪の衣も厭わずに
音もたてずに我が胸に
この思いに告げるべき

解けてはかなく冬ざくら
雲居は春か人はいざ
心に君は舞おうとも
触れえぬ肌がかなしくて

涙の温みはなお悲し
こころ奥処おくかの冬ざくら
紅さす指より白くあり
暦数えてまた涙
匂い儚く夢の夢

夜半よわに強まる北風に
さらに舞い寄る冬ざくら
霞む灯りを掻き分けて
霞まぬ遠い夢の夢




自由詩 ■共同作品■ 冬のさくら Copyright Rin. 2008-02-04 21:05:20縦
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