言葉無くして
LEO

冷たい雨に
震えるきみの
肩を抱いたのは
それもまた
雨でした

時に言葉は行き過ぎて
途方に暮れる長い夜
抗うこと諦めることを重ね
いくつの哀しみを覚えたの
その身を預け
降りしきる雨が
じきに雪に変わっても
それとも止んで
明日には晴れたとしても
きみに寄り添う手は
たとえば今日の
それは雨
夜更けの街に留まって
今日と明日の境界を
曖昧に消しさってくれる
今はそれをやさしさと
信じることにして
わたしも同じ雨に抱かれる

アスファルトに揺れる夜光は
どこへも導かないけれど
見守る者の眼差しのように
すこし温かい


自由詩 言葉無くして Copyright LEO 2008-02-03 23:14:58縦
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