出会うこと
小原あき

立ち止まったところに
誰かの欠片かけらが落ちていたので
拾い上げてから交番に届けようとしたら
持ち主らしき人が
不安を抱えたてこちらへ歩いてきたので
「捜し物はこれですか?」
と欠片を差し出したら
「そうです、これです」
と不安を落っことして
欠片を両手で受けとめた
落っこちた不安が
「痛い、痛い」
と言っていたのを見ていたら
それに気が付いて
私の体をよじ登ってきたので
「違う、私じゃない」
と払い除けようとしたけれど
もう覚悟を決めた様で
今では頭の天辺に来てあぐらをかいている


このような一連の流れから
未だに次の変化が訪れないので
私の頭には
未だに不安があぐらをかいている


誰かに新しく出会うと
必ずこの流れが起こって
再び同じ人と出会うまで
不安は頭から降りてきてはくれないのだった





自由詩 出会うこと Copyright 小原あき 2008-02-01 13:24:28
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