冬の水鳥
チアーヌ

あなたのために
わたしの肌は温かい
沼の上で首を竦めて眠る
冬の水鳥みたいに

爆弾を仕掛けたビルが
崩れ落ちるときに降る白い粉を
振り払い
振り払い
必死で走るあなた
上など見られないね
それでもたくさんの粉を吸い込んで

今日も地面は揺れました
ねえでも
爆弾なんか仕掛けなくても
どうせ壊れて行くよ
だから怖がらないで
そして
焦らないで

ねえ
水鳥はいいね
沼の上でいつもゆらゆらと
揺れているよ

わたしは
優しい主婦みたいに
ちょっと荒れた手で
あなたの頬を撫でる



自由詩 冬の水鳥 Copyright チアーヌ 2008-01-29 20:09:25
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