無題09
ねろ

感情の底を 
両手に掬い
泥の船を捏ね
漕ぎ出でようと仰ぎ
ソラを象る繊維は翻る
そこに歪む黄金の
虚ろな一つ目鬼が
無邪気な一人遊び
指差しごっこ
あの第二関節に
止まっている極楽鳥は
船人の歌を胃袋に抱え
ふくれ巨大に伸び
その時破裂した
轟きは眼前の河
出ずる元は釈迦
是の反吐と謳うが
強酸の雨に
極彩色に身体は
褪せ行くばかり
足元の
船を見やればとうに
形無く黒々とした
膝と雨粒の混ざり合い
反吐と心臓の鼓動もなく
それも流れ行くばかり

ヘドロからの船人達



自由詩 無題09 Copyright ねろ 2008-01-21 21:45:53
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