夜(駆する)
縞田みやぎ

みっかのつき というか指先
が 孕んだ 玄関には誰か立っていたのか 風
ばかりまいて
重機のエンジンのうつる窓 にわかに
順番が差し替えられる という白い 指

先を行く人
の 呼吸が回転する 移動の案内に
窓を開ける手の指の つめ の想像

照明する人の群れ 道の旗に
はた
はた
はた

川の 置いてあったろうあたりに
沿って あるだろうあたり 森林 
の におう
首の角度をそろえて曲がっていく 魚の
群れ 畏めて移動する要領の
数えて1
2 3 糸を引く灯下に虫 魚の
口のかたち 森林に行くかわり
に 伸びて行こうとする
5 6 たくさんに
腹ばいに置かれ鼻先に砂 の
におい

喉の疾患 かわいた水場 の いきもの
の におい
の におう

路上に労働



畏み またうつる窓 エンジンの
遠く伸ばされた平たい指 自動的に開かれて
行き過ぎる人 旗 に の突端
はた と
はた と
リズミカルな散在をそこいらに

もう そこいらに
並べ立ててしまっている


自由詩 夜(駆する) Copyright 縞田みやぎ 2008-01-20 22:16:06縦
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